投資部門別売買状況

  株式流通市場全体の取引の規模を把握するには、売買高や売買代金のデータがありますが、その内訳として、どんな投資家がどれくらいの規模の売買を行っているかを把握するため、日本取引所グループ(JPX)が投資部門別売買状況の統計を集計しています。
  株価は企業業績や金利などに加え、誰が、いつ、どれだけの株式を売買するかといった需給の影響を受けます。需給バランスを把握するために注目されるのが、この投資部門別売買状況です。

  2023年の東証プライム市場の年間売買代金のうち約7割を海外投資家が占めました。海外勢の存在感は大きく、相場のトレンドを形成しているといっていいでしょう。
  海外勢の売買の特徴は、株価が上昇している時に買い、下落局面で売る「順張り」の戦略をとることが多い点です。株価の上昇局面で買い越しが続いていれば、一段高の期待が高まります。一方、個人投資家は反対に株価が上がると売り、下がると買うという「逆張り」の傾向が強いとされます。
  長い目線で投資主体の傾向を見ることも重要です。例えば、相場のトレンドを主導する海外投資家の売り越しが続いていると、何か好材料となるきっかけがあれば大幅に買い越す余地があるとも考えられます。


海外投資家売り越し  10月第4週

売買代金差額単位(億円)